はじめに

「SEC Challenge」はセックの社内ハッカソンイベントです。
今年で3回目を迎えたこのイベントは、社員の 創造力・発想力・チャレンジ精神 を刺激し、新規事業の創出やエンジニアリング技術の向上に挑戦する機会として開催されています。
本イベントでは、ハッカソン参加者だけでなく、セミナーやワークショップ、プレゼン大会など、希望する社員なら誰でも参加できるプログラムを多数用意。「挑戦する人を応援する」「新しい発想に触れる」 そんな機会を、全社員で共有できるイベントとして進化しています。

アイデアと技術で未来を創る、社内最大の挑戦

SEC Challenge 2025は、2025年7月から10月にかけて開催されました。
今回は「ビジネスアイデア部門」と「Kibo-RPC部門」の2部門で実施され、36チーム・88名の社員が参加。熱意とアイデア、技術力をぶつけ合いました。

期間中には外部講師を招いてのセミナーや実践的なワークショップ、そして最終選考を兼ねたプレゼンテーション大会を開催。社内全体で多くの学びが得られるイベントとなりました。

  • 7月23日 説明会
  • 7月30日 新規事業創造セミナー
  • 8月6日 JAXA講演・Kibo-RPCワークショップ
  • 9月上旬 「ビジネスアイデア部門」一次審査
  • 10月15日 「ビジネスアイデア部門」プレゼン大会・「Kibo-RPC部門」結果発表・表彰

ビジネスアイデア部門

日本の一次産業は高齢化や厳しい労働環境、DX化の遅れなど、深刻な課題を抱えています。

「社会の安全と発展のために」を会社理念に掲げるセックが、この課題に対して何かできることはないのかと、今年のテーマを「一次産業」に設定しました。

これまで接点の少なかった分野への挑戦に、19チーム・44名がエントリー。一次産業従事者や地方自治体へのヒアリングを通じて得られた知見や、現場の実情に即した視点を取り入れた提案が多く、参加者のこのイベントにかける熱意が表れていました。

9月上旬には書類選考による一次審査を実施し、上位5チームが10月15日のプレゼン大会へ進出。大会当日は、審査員による厳正な審査のもと、各チームが熱意あふれる発表を行いました。
最終結果では、上位2チームが同点という接戦に。どちらも甲乙つけがたい素晴らしい提案でした。

本部門で提出された優れた提案は、今後の事業化も視野に入れて検討を進めていく予定です。

Kibo-RPC部門

Kibo-RPC(Kibo Robot Programming Challenge)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が主催する国際的なプログラミング競技会で、国際宇宙ステーション(ISS)内のドローンロボットを動かすプログラムを開発し、課題解決の速さと正確性を競います。

今回は、セックではこの競技会の内容を社内向けにアレンジして開催し、17チーム・44名が参加しました。

競技の舞台は、ISS「きぼう」日本実験棟を再現したシミュレーション環境。ISS船内ドローンロボット「Int-Ball2」を制御し、画像認識・経路計画・誘導制御等の技術を駆使して、指定されたミッションの達成を目指しました。

ISS「きぼう」日本実験棟を再現したシミュレーション環境
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ISS「きぼう」日本実験棟を再現したシミュレーション環境

この競技の最大の特徴は、異なる条件で実行したシミュレーション結果の中で最も良いスコアではなく、最も悪いスコアの高さで評価される点です。これはどんな環境でも安定的に動作するソフトウェアが求められる宇宙開発の本質を反映しており、24時間365日稼働し続けるリアルタイムソフトウェアの開発力が求められます。
優勝チームは、最も良いスコアと悪いスコアの差がわずか1ポイントと、この競技において最も重視される安定性を、高いレベルで実現しました。

今回は株式会社スペースデータが提供する「バーチャル国際宇宙ステーション」環境で、優勝チームのプログラムの動作を再現する取組みも行い、社内技術の外部環境への展開可能性を示す成果も得ることができました。

株式会社スペースデータ「バーチャル国際宇宙ステーション」
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株式会社スペースデータ「バーチャル国際宇宙ステーション」

株式会社スペースデータ:https://spacedata.jp/

バーチャル国際宇宙ステーション「ISS Simulator」:https://store.steampowered.com/app/3239970/ISS_Simulator/?l=japanese

また、最後にはJAXA 有人宇宙技術部門 主任研究開発員 荒金恭一 様から講評をいただきました。

※セックは2019年度より「Kibo-RPC」において参加者がプログラム開発で利用するソフトウェアプラットフォームやポータルサイトの開発と運用に携わり、各国の予選会の支援業務にも従事しています。また、第1回大会より「Kibo-RPC」に協賛しております。

おわりに

SEC Challenge 2025は、社員一人ひとりの創造力と技術力、そしてセックのチャレンジ精神を存分に発揮するイベントとなりました。イベントを通じて、全社で挑戦を共有し、新しい発想に触れる機会を創出できたことは大きな成果と言えるでしょう。

セックはこれからも「面白い仕事」に積極的に取り組み、チャレンジする風土を育み続けます。研究開発型企業として、社員が自らの可能性に挑み、社会に新しい価値を提案し続ける ― その姿勢を、次のSEC Challenge、そして日々の事業活動を通じて発信していきます。

(取材・文/セック・広報担当)

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