セックは、ユビキタス社会の究極の端末はロボットであると考え、ロボットの研究開発に取り組んでいます。ロボットの標準化技術であるRTミドルウェアとROS(Robot Operating System)、ロボットの安全性と信頼性を確保する機能安全技術に注力し、サービスロボット開発の推進と普及を目指しています。また、AI(人工知能)などをロボットに応用し、ロボットの高付加価値化に向けた研究開発も推進しています。

セックのロボットソフトウェア技術

研究開発の成果を元に、ロボットとロボット用ソフトウェアに関する様々なご要望にお応えします。

 

  • ロボット標準化・機能安全サービス
    • RTミドルウェア/ROS 教育&コンサルティング
    • 機能安全 教育&コンサルティング
  • ロボットソフトウェア開発
    お客様のご要望に応じて、研究開発、試作機から実用機まで、ロボットソフトウェアの開発を個別に対応いたします。
    • ロボット標準化技術(RTミドルウェア/ROS)を適用した開発
    • 車両自動走行、無人搬送車、業務用掃除機、建築機械、農業機械、船舶、ドローンなどの個別ソフトウェア開発
    • ロボットシミュレーション、SLAM技術、音声処理、画像処理、AI(人工知能)などの要素技術を活用した開発
    • コミュニケーション(受付、翻訳、通訳など)ロボット、見守り&パーソナルヘルスケアなどの利活用サービスに関する開発

RTミドルウェア

RTミドルウェアは、ロボットを構成する要素(アクチュエータやセンサなど)やロボットを制御するソフトウェアを、コンポーネント化するための技術です。用途に応じて必要な部品を組み合わせるだけで、多様なロボットを容易に、短期間、低コストで開発できるようになります。セックはRTミドルウェアを利用したロボットやコンポーネントの開発、RTミドルウェアの既存ロボットへの適用に取り組むとともに、書籍の執筆や講演などRTミドルウェアの普及活動にも努めています。

 

■RTミドルウェアを利用した開発実績 

  • 機能安全対応RTミドルウェア「RTMsafety」
  • RTミドルウェア視覚系プラットフォーム開発
  • RTミドルウェア先端計測機器プラットフォーム開発
  • 移動型双腕ロボット操作システム
  • 住宅設備自動化システム試作
  • 生活支援ロボット向けコンテンツサーバ環境構築
  • ロボットアームRTコンポーネント開発
  • 高齢者支援ロボット実証実験システム
  • 視覚障害者歩行支援用障害物検知技術開発
  • RTミドルウェア音声処理システムフレームワーク など
     

■執筆活動

 

モジュールの組み合わせを変えるだけで、
個性豊かな何パターンものロボットを開発できる。

ROS(Robot Operating System)

ROS は、ロボット・アプリケーションの開発を支援する様々なライブラリやツールから構成されているオープンソースソフトウェアで、世界中のロボットソフトウェア開発現場でデファクトスタンダードになりつつあります。セックは米国ロボティクス関連団体「ROS-Industrial Consortium Americas」に加盟し、最新技術動向を入手・調査するとともに、現地でのビジネス動向をキャッチしています。

■ROS を活用した開発実績

「自律移動」「アーム制御」「対話」「シミュレーション」などのロボットソフトウェアの開発実績を有しています。

 

  • 屋内自律移動ロボットソフトウェア「Rtino」
  • コンピュータビジョンソフトウェア「Rtrilo」
  • AGV向け自律移動ソフトウェア開発
  • モビリティ向け自律移動ソフトウェア開発
  • 農機向け自律移動ソフトウェア開発
  • ドローン向け自律移動ソフトウェア開発
  • ロボットアーム制御ソフトウェア開発
  • ロボット音声対話ソフトウェア開発
  • インフラ点検ロボットソフトウェア開発
  • インフラ点検ロボットシミュレータ開発
  • 宇宙ロボットシミュレータ開発
  • 宇宙ロボット用ミドルウェア評価 など

機能安全技術

人と共存するサービスロボットには、安心・安全のために機能安全への対応が求められています。将来的には、サービスロボットは機能安全の国際標準規格(IEC 61508やISO 13482など)に準拠しなければ販売できなくなるでしょう。しかしながら、機能安全に対応したロボットの開発は、その開発プロセスが複雑で、開発の難易度も高いためコスト高にならざるを得ない状況です。
  
セックは、機能安全に対応したロボットソフトウェアを開発するとともに、安全なロボットの普及に向けた活動に取り組んでいます。

機能安全対応RTミドルウェア「RTMSafety」

「RTMSafety」は、ロボットの安全関連系への実装を想定し、機能安全の国際規格であるIEC 61508の認証を取得した世界初のロボット用ミドルウェアです。RTミドルウェアのコンポーネント化技術により、ロボットの開発を効率化するとともに、機能安全のための機能を備えることで、安全認証されたロボット開発のコストダウンを目指しています。

ロボットの高付加価値化への取り組み

ロボット自律移動研究

ロボットが移動するための地図情報の自動生成と自律移動に関する技術を開発しています。この研究成果を、屋内自律移動ロボットソフトウェア「Rtino」(アルティノ)として製品化しています。

自律移動ロボットと連携するコンピュータビジョンの研究

AI(人工知能)技術と組合せ、カメラなどで対象を識別・認識する技術をロボットに応用するための技術を開発しています。この研究成果を、コンピュータビジョンソフトウェア製品「Rtrilo」(アールトリロ)として製品化しています。

ロボットの高付加価値化への取り組み - 共同研究開発

[NEDO] 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第 3 期/人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備

「人」と「サイバー・フィジカル空間」が融合した「HCPS(Human-Cyber-Physical Space)融合人協調ロボティクス」という新領域の技術開発・社会実装を推進することで、人とテクノロジーが共生・協調して相互に支えあう社会(テクノピアサポート社会)を実現することを目指しています。
HCPS 融合人協調ロボティクスの基盤技術を活用し、人々が日常多くの時間を過ごしている住宅やビル(集合住宅、オフィスビル等)、商業施設、病院等を対象とした HCPS 融合人協調ロボティクスの社会実装に取り組みます。HCPS 融合人協調ロボティクスの導入促進ツールの整備やロボットフレンドリーな環境の構築を推進し、労働人口減少対策、高齢者・障がい者の生活の質向上、子育て世代の可処分時間の延伸などへの貢献を目指します。

[NEDO] 高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発

人の脳の仕組みを数式化した機械学習アルゴリズムのひとつであるレザバー計算モデルを実行する集積回路チップ(エッジ AI チップ)を開発し、AI を搭載したエッジデバイスとしてロボットや IoT 分野に応用し、実用化を目指します。また、本プロジェクトの成果となるエッジ AI チップを実用化に繋げるために、ソフトウェア開発環境の構築にも取り組んでいます。

ロボットのAI化に向けた知能処理の回路化の研究

知能処理を回路化(FPGA化)し、回路化した知能処理をRTミドルウェア(RTM)のコンポーネントとして扱えるようにプラットフォーム化する研究を九州工業大学と共同で進めています。

ロボットとAI(人工知能)をつなぐプラットフォームの研究

ロボット開発と人工知能開発を融合するため、ロボット研究者にも人工知能研究者にも同じ土俵で容易に使える人工知能・機械学習プラットフォームの研究を早稲田大学と共同で進めています。
研究開発の成果は、統合開発環境「AirGraph(AI and Robot Graphical IDE)」として、GitHubに公開しています。

ロボットの高付加価値化への取り組み - ハードウェアに強い人材の育成

CoRE(The Championship of Robotics Engineers)への参加

CoREは、次世代のエンジニアとして”挑戦的共創人材”を育成するための、ロボット競技を核としたエンジニア選手権です。

安心安全で信頼性が高く、より付加価値の高いロボットソフトウェアの開発には、ソフトウェアとあわせてハードウェアに関する知見やノウハウも必要です。
当社のロボット開発技術の深化を目的とし、CoRE(The Championship of Robotics Engineers)に参戦しています。

これまでのロボット研究開発

  • [NEDO] ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト(2017年~2020年)
  • [経済産業省] ロボット介護機器開発・導入促進事業(基準策定・評価事業)(2013年~2015年)
  • [経済産業省] 次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト(2007年~2012年)
    - ロボット知能ソフトウェアプラットフォームの研究開発
    - 移動知能(サービス産業分野)の研究開発
  • [NEDO] 基盤ロボット技術活用型オープンイノベーション促進プロジェクト(2009年~2011年)
  • [NEDO] 次世代ロボット共通基盤開発プロジェクト(2005年~2008年)
    - 画像認識用デバイス及びモジュールの開発