2022年02月28日
株式会社セック

 

 株式会社セックは、アダプティブコンピューティング研究推進体(ACRi)主催の「第8回ACRiウェビナー」(2022年3月15日 17:30~19:00)において、高位合成によるFPGA実装について技術解説を行います。

 

 第8回ACRiウェビナー:FPGA上級者にとっての高位合成の利用価値とは?

 「ACRiルームで高速画像処理」

 https://acri.connpass.com/event/237525/

 

 「高位合成」とは、C/C++などのソフトウェア開発用のプログラミング言語で、FPGAの回路を実装する技術です。従来、FPGAの開発にはHDL(Hardware Description Language)が使われてきましたが、回路設計技術であるHDLをソフトウェア技術者が習得することは困難でした。そこで、ソフトウェア技術者が、通常のソフトウェア開発に近い手法でFPGAを実装できる「高位合成」という技術が、近年発展してきています。

 

 しかし、C/C++などのプログラミング言語でFPGAの回路を実装できるとはいえ、FPGAのアーキテクチャを理解した上で設計・実装しなければ、FPGAの特徴である「高速」な処理性能を得ることはできず、ソフトウェア技術者がFPGAの開発に取り組む上での課題となっています。

 

 本ウェビナーでは、FPGAでの画像処理アプリの実装を題材として、ソフトウェア技術者向けに「高位合成」での設計、実装方法を解説します。開発環境としてACRiルーム(FPGAをリモートで利用できるFPGA開発環境)を使用し、手元にFPGAがない方でも、FPGAの実装を試してみることができる内容になっています。

FPGAとは

 FPGA(Field Programmable Gate Array)とは、プログラム可能な集積回路です。通常、コンピュータシステムには演算装置としてCPU(Central Processing Unit)が用いられますが、CPUの回路構成そのものに柔軟性はなく、動作させるソフトウェアで柔軟性を確保しています。これに対し、FPGAは回路構成そのものを利用者が変更(プログラム)することが可能で、並列的な計算処理により、CPUと比較して高速な処理が可能です。
 プログラム可能で高速な演算装置としてGPU(Graphics Processing Unit)がありますが、FPGAは消費電力が少なく、ロボットや自動車、宇宙機など消費電力の制約が想定される環境において、GPUよりも優位性を有しています。

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ソフトウェア技術者向けFPGA技術解説書「高位合成によるFPGA回路設計」を執筆しました(2022年2月28日)

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ACRiウェビナーにて「オープンソースからの高位合成によるORB-SLAM FPGA実装」について講演します(2021年1月15日)

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