2019年12月10日
株式会社セック

 

 株式会社セックは、公益社団法人計測自動制御学会主催の「計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2019)」(2019年12月12日~14日、サンポート高松)において、国立大学法人九州工業大学、株式会社アイヴィスと共同で下記の論文発表を行います。

 

・  高位合成によるORB-SLAMのFPGA実装の最適化

 

 セックは、知能処理の回路化、ハードデバイス化研究の第一人者である 田向権 准教授(九州工業大学 生命体工学研究科 人間知能システム工学専攻)と株式会社アイヴィスと共同で、「知能処理の回路化とロボットプラットフォームへの適用」をテーマに研究を進めており、本論文はその成果を発表するものです。
 SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)とは、センサーが取得した情報を元に、自己の位置推定と周辺の地図作成を同時に行うことであり、自律移動ロボットなどに利用されています。通常、SLAMにはレーザーレンジセンサーなどの高価なセンサーが用いられますが、ORB-SLAMは、市販の単眼カメラなどを用いて比較的安価にSLAMを実現することのできる手法です。
 ORB-SLAMの実現にはCPU負荷の高い処理が伴います。これら高負荷処理の高速化、省電力化をプログラム可能な集積回路であるFPGAを用いることで実現し、その成果を2019年5月、ロボティクスメカトロニクス講演会2019にて「高位合成によるORB-SLAMのFPGA実装と評価」として発表いたしました。今回の発表では、FPGAアーキテクチャを意識した設計に見直し、使用FPGAリソースの低減と更なる高速化を同時に実現した成果を発表いたします。

FPGAとは

 FPGA(Field Programmable Gate Array)とは、プログラム可能な集積回路です。通常、コンピュータシステムには演算装置としてCPU(Central Processing Unit)が用いられますが、CPUの回路構成そのものに柔軟性はなく、動作させるソフトウェアで柔軟性を確保しています。これに対し、FPGAは回路構成そのものを利用者が変更(プログラム)することが可能で、並列的な計算処理により、CPUと比較して高速な処理が可能です。
 プログラム可能で高速な演算装置としてGPU(Graphics Processing Unit)がありますが、FPGAは消費電力が少なく、ロボットなど消費電力の制約が想定される環境において、GPUよりも優位性を有しています。

関連ニュース

ロボティクス・メカトロニクス講演会2019にて「高位合成によるORB-SLAMのFPGA実装と評価」について論文発表します(2019年5月22日)

https://www.sec.co.jp/ja/news/news6727927020842510253.html
 

ロボティクス・メカトロニクス講演会2018にてFPGAとRTミドルウェアの連携に関する論文発表を行います(2018年5月18日)

https://www.sec.co.jp/ja/news/news8057542485210458884.html
 

九州工業大学と「知能処理の回路化とロボットプラットフォームへの適用」について共同研究を開始します(2017年5月1日)

https://www.sec.co.jp/ja/news/news5669814983008115107.html

関連リンク

計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2019)

https://sice-si.org/conf/si2019/
 

国立大学法人 九州工業大学 生命体工学研究科 田向権研究室

https://www.brain.kyutech.ac.jp/~tamukoh/
 

株式会社アイヴィス

http://www.ivis.co.jp/