本Webアプリケーションは、ひまわり8号・9号衛星の可視画像、赤外画像、動画像を最短で10分以内にインターネットで公開することで、誰もが現在の地球の様子をパソコンやスマートフォン、タブレット上で閲覧できるWebコンテンツです。気象庁が提供するオリジナルの半球可視画像は11,000ピクセル×11,000ピクセルの超高解像度画像のため、そのままではWebブラウザで表示することができませんが、これをピラミッドタイル化(550ピクセル×20分割)することで、利用者は疑似的に高解像度を維持したまま画像を閲覧することができます。本Webアプリケーションは高速データ伝送、並列分散処理、スケーラブル時系列可視化などの技術を組み合わせることで実現しています。 
当社はWebアプリケーションの開発だけではなく、アプリケーションの基盤となるプラットフォームの維持管理も担当しています。ひまわり衛星データは年間150TB(非圧縮時)ものデータサイズがあり、2015年7月の観測開始以降、2023年現在で1.2PB以上のデータを管理・運用しています。これらのデータはWebアプリケーションなどを通じて大学や研究機関などの利用者に提供しており、研究活動に活かされています。

(引用元) https://himawari9.nict.go.jp/ 
 

社会システムへの影響 

ひまわりリアルタイムWebを通じた社会システムへの影響例を以下に挙げます。

  • ひまわりリアルタイムには2019年の大型台風(台風19号)接近時には合計で50万を超えるアクセスがありました。民間の気象予報Webサイトのような気象予報情報を掲載しないにもかかわらずこれほどのアクセスがあるのは、一刻も早い台風の状況把握を望む社会ニーズがあるためといえます。 
  • 近年は海外からのアクセスが50%前後あり、アジア諸国へのサービス充実が求められています。フル解像度のピラミッドタイル画像ファイルを海外のミラーサイト(現在は、東南アジア3か所)にリアルタイム伝送して公開することで、ひまわり衛星データの国際貢献にも繋がっています。 
  • ひまわりリアルタイムWebは個人への情報提供だけではなく、気象予報、報道(テレビ、新聞、雑誌)、教育(科学館)、インターネット(ネットニュース、気象予報番組)において幅広く利用されています。 

関連リンク 
国立研究開発法人 情報通信研究機構 ひまわりリアルタイムWeb 
https://himawari9.nict.go.jp/
国立研究開発法人 情報通信研究機構 時空間データGISプラットフォーム 
https://sc-web.nict.go.jp/