セックの屋内自律移動ロボットソフトウェア製品「Rtino」をお客様の生産技術部門で独自開発された走行ロボットに適用し、工場内搬送用AMR(Autonomous Mobile Robot)の開発、及び工場内の自動搬送システムの構築を行いました。 
既にお客様の工場で実運用されており、搬送業務の省力化に貢献しています。

屋内自律移動ロボットソフトウェアRtino

Rtinoは、SLAMと呼ばれる技術を用いて、走行させるエリアの地図を作成し、地図上の任意のゴール地点に到達可能な移動経路を自動で生成して、ロボットを走行させます。これにより、磁気テープなどのガイドを設置しなくとも、ロボットを自律走行させることが可能です。 
Rtinoはロボットを選ばず、本開発では、お客様で独自に開発された走行ロボットを自律走行させています。ロボットを走行させるためのインタフェースを事前に調整し、それに基づいて、ロボットとの通信部分のプログラムのみを開発して連携させました。 
製品を積載したキャスター付き荷台に、AMRが自動で潜り込んで連結し、搬送を行います。荷台と連結するためには高い停止精度が必要で、Rtinoのオプション機能である位置決め走行機能を用いて、これを実現しました。 
また、SLAM技術は、シャッターの開閉など、大きな環境変化が苦手という弱点があり、それをカバーするために、走行ルートの一部では、これもRtinoのオプション機能であるライントレース機能を用いています。 
搬送業務のフローは、Rtinoのシナリオ実行機能を使用し、お客様側でシナリオファイルの内容を書き換えることで、業務フローを自由に組み替えられるようにしています。 

上位システムとの連携

AMRに指令を与える上位システムは、お客様の業務に最適なシステムをお客様側で開発されました。製品を積載した荷台が所定位置に置かれたことをセンサーで検知し、そのセンサーの信号を受けて、上位システムからAMRに搬送指示を送信します。途中でAMRとやり取りをしながらエレベーターとも連携し、AMRがエレベーターに乗り込んで別の階へ荷物を運ぶことも可能です。