背景と目的

セックはJAXAと共同で、科学研究分野の課題を解決することを目的として、MRをはじめとしたxR技術を活用した研究を行っています。 
JAXAでは宇宙・航空分野の研究者を利用対象に数値シミュレーションおよびその可視化を行うためのスーパーコンピュータ(JSS3)を運用してきた。JSS3は利用者に計算機、ストレージリソースだけでなく、最高レベルの可視化技術を利用者に提供することで、性能だけではない付加価値を追及しています。
JSS3では「10年先の可視化技術を創造する」をテーマに、様々な可視化技術の施策、検証を行っており、本研究では、次世代の可視化技術の一つとして、VR、ARに代表されるリアリティ技術の一つであるMR(Mixed Reality/複合現実)技術に注目し、研究者の知見、観測データなどの付加情報を数値シミュレーション結果に重ね合わせることで、研究成果を融合的に可視化するための仕組みを試作、検証を行っています。

研究開発内容

1. 大規模データの可視化

スーパーコンピュータで計算されたシミュレーション結果は膨大なデータ量となります。一方でMRデバイスではハードウェアリソース(CPUやメモリなど)が限られており、一般的な投影手法を用いた場合、データを間引く(リダクション)必要がありました。しかし、このことは大量の計算を行い精密なモデル計算をした意義を失うため、リダクションを行わず、大規模なデータを投影するための技術研究が必要となりました。 

[研究成果] 
第27回 3D&バーチャル リアリティ展(2019年2月6日~8日)
https://www.sec.co.jp/ja/news/news-1235736639113863527.html

2. リモートコミュニケーション技術

MRデバイスのみならず、VR、ARデバイスを用いて、遠隔地及び同拠点内でデータ共有するための技術研究を実施しています。 音声、3Dデータ、文書、動画像などあらゆるデジタル情報をリアル(MR/AR)、バーチャル(VR)空間上で共有することができます。この技術を用いることで、オンライン会議で用いられてきた2次元空間上でのコミュニケーションから3次元空間上でのコミュニケーションが可能となります。

3. その他

上記以外にも、本研究ではXRに関する技術調査や検証、XR開発者向けの人材育成も行っています。また、これまでの取り組みが評価され、2018年5月に「Microsoft Miexed Realityパートナープログラム」のパートナー認定を取得しました。 

「Microsoft Mixed Realityパートナープログラム」のパートナー認定を取得しました 
https://www.sec.co.jp/ja/news/news-6684630954599957733.html

[Microsoft Windows Blog] Microsoft Mixed Reality パートナープログラム 認定パートナー4社発表 
https://blogs.windows.com/japan/2018/05/23/mrmwpreview-mrpp/