2024年3月5日
株式会社セック
株式会社セックは、アダプティブコンピューティング研究推進体(ACRi)主催の「第16回ACRiウェビナー」(2024年3月8日 17:30~19:10)において、FPGAでのレザバーコンピューティングの活用について技術解説を行います。
第16回ACRiウェビナー:リアルタイム制御におけるFPGAの活用
「エッジAIの新たな可能性 - FPGAとレザバーコンピューティングによる高効率AI処理」
https://acri.connpass.com/event/311583/
エッジAIは、データ処理とAI分析をエッジデバイス(エッジ)上で行う技術です。エッジでデータ処理とAI分析を行うことにより、データ転送の容量削減やプライバシー保護の効果が得られ、IoTシステムにおけるエッジとクラウド間の最適な機能配置ができるようになります。
FPGAは並列処理能力に優れており、低消費電力の特徴があるため、リソースが少なく、消費電力を抑えたいエッジでのAI処理に適しています。FPGAを用いて、レザバーコンピューティングをエッジAIに活用する取組みについてご紹介します。
レザバーコンピューティングとは、レザバー計算モデルをコンピュータシステムに適用する技術の総称です。
レザバー計算モデルは、自己回帰型ニューラルネットワーク Recurrent Neural Network(RNN)の一種で、時系列情報処理に適した機械学習の枠組みです。レザバーはため池という意味で、例えば小石をため池へ投げると水面に波紋が生じますが、この波紋から、どこに、どのような小石が、どのような順番で投げられたのかなどを推測することができます。このように、投げ入れた小石の時系列情報を知りたい時に、水面の波紋という全く別の形に変換して認識処理を行うのがレザバー計算モデルの概念です。
他のディープラーニングモデルに対するレザバー計算モデルの優位性として、結果出力部分のみを学習対象とすることで、学習の計算量が大幅に削減可能となることが挙げられます。これをハードウェアに実装することで、高効率・高速な機械学習デバイスを実現可能な技術として注目されています。
FPGA(Field Programmable Gate Array)とは、プログラム可能な集積回路です。通常、コンピュータシステムには演算装置としてCPU(Central Processing Unit)が用いられますが、CPUの回路構成そのものに柔軟性はなく、動作させるソフトウェアで柔軟性を確保しています。これに対し、FPGAは回路構成そのものを利用者が変更(プログラム)することが可能で、並列的な計算処理により、CPUと比較して高速な処理が可能です。
プログラム可能で高速な演算装置としてGPU(Graphics Processing Unit)がありますが、FPGAは消費電力が少なく、ロボットや自動車、宇宙機など消費電力の制約が想定される環境において、GPUよりも優位性を有しています。
International Symposium on Neuromorphic AI Hardware にてレザバーコンピューティングに関する研究発表を行います(2024年2月27日)
https://www.sec.co.jp/ja/news/news-5337086151183428041.html
情報サービス産業協会ソフトウェアイノベーションシンポジウムにて「高速機械学習器による現場での故障予知」について発表します(2023年12月13日)
https://www.sec.co.jp/ja/news/news6581790624810863696.html
NEDO「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」の委託先に採択されました(2022年4月25日)
https://www.sec.co.jp/ja/ir/news/auto_20220422526036/pdfFile.pdf
[2022年3月15日開催] ACRiウェビナーにて 高位合成によるFPGA実装について技術解説を行います(2022年2月28日)
https://www.sec.co.jp/ja/news/news-1787497899835050751.html
ソフトウェア技術者向けFPGA技術解説書「高位合成によるFPGA回路設計」を執筆しました(2022年2月28日)
https://www.sec.co.jp/ja/news/news-9126254554799037514.html
ACRiウェビナーにて「オープンソースからの高位合成によるORB-SLAM FPGA実装」について講演します(2021年1月15日)
https://www.sec.co.jp/ja/news/news-1817849747043778612.html
計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2019)にて「高位合成によるORB-SLAMのFPGA実装の最適化」について論文発表します(2019年12月10日)
https://www.sec.co.jp/ja/news/news-7519691041690322335.html
ロボティクス・メカトロニクス講演会2019にて「高位合成によるORB-SLAMのFPGA実装と評価」について論文発表します(2019年5月22日)
https://www.sec.co.jp/ja/news/news6727927020842510253.html
ロボティクス・メカトロニクス講演会2018にてFPGAとRTミドルウェアの連携に関する論文発表を行います(2018年5月18日)
https://www.sec.co.jp/ja/news/news8057542485210458884.html
九州工業大学と「知能処理の回路化とロボットプラットフォームへの適用」について共同研究を開始します(2017年5月1日)